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 大きな災害が起こると、復旧・復興に向けて最初に大きな課題になるのが災害廃棄物処理の問題です。東日本大震災においては、膨大な災害廃棄物が発生し、発災当初はその瓦礫を眼の前にして誰もが立ちすくんだことでしょう。しかし、その後の関係者の懸命な努力により、3年間という短期間に福島県以外の被災地域で処理がほぼ終了できたことは、日本社会の力強さを証明したとも言えます。私たちは、この大震災の経験を通して多くの教訓を得たはずです。

 そして、その後も毎年のように全国各地で豪雨災害や地震災害が起きています。直近の2016年度においても4月に熊本地震が発生し、大量に発生した災害廃棄物の処理が現在も続けられています。また、その後も台風による豪雨災害や鳥取地震、糸魚川火災災害などが立て続けに発生しました。さらに、この数十年以内に高い確率で南海トラフや首都直下型の大規模地震が発生するとの予測もあります。このように、災害列島であるわが国が、将来の大規模災害に対して強靭な社会をつくっていくためには、過去の災害から学んだ教訓を体系的に整理して後世に伝え、そして社会全体で備えていかなければならないのです。

 国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターは、東日本大震災以来、災害廃棄物対策に関して、環境省所管の国立研究機関の立場で支援してきました。そして、この「災害廃棄物情報プラットフォーム」は、災害廃棄物対策を推進する方々に参考となる情報を一元的に発信するために、2014年5月に開設し、公開を始めました。その後、内容の充実、使いやすさの観点からのシステム改善などを重ねてきており、多くの関係者に活用されています。

 情報プラットフォームでは、過去の災害で実際に災害廃棄物の処理にあたった実務者の経験及び知見を共有するとともに、将来の災害に備えた事前の計画づくりなどに精力的に取り組んでいる様々な関係主体の活動を紹介しています。また、過去の災害の記録や、災害廃棄物処理計画の策定に役立つ各種情報についても掲載しています。これらの情報を参考にして、全国の自治体が災害廃棄物処理マネジメント能力を向上させるとともに、より実践的な計画・体制づくりに活かしていただくことを期待しています。

 もちろん災害廃棄物処理に関わる主体は、自治体だけではありません。計画策定や処理進捗管理などには民間コンサルタントの支援が不可欠ですし、実際の処理には産業廃棄物処理業、総合建設業、環境装置メーカーなどの民間事業者がその一翼を担う必要があります。その意味で、本情報プラットフォームは、これら民間事業者の方々にも是非活用して頂きたいと考えています。

 国立環境研究所は、2015年9月に発足した環境省の災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の支援者グループの中核機関に位置付けられ、緊急時および平時の災害廃棄物対策に係る支援の取組を進めています。本プラットフォームの情報が、将来の災害対応力向上にお役に立てるよう、皆様のご意見等を反映させながら今後とも成長するプラットフォームを目指したいと思います。

 何卒、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

平成29年4月
国立研究開発法人国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター長

大迫政浩