将来に伝えておきたい災害廃棄物処理のはなし

※執筆者の所属、役職は掲載当時のものです。

 過去の災害廃棄物処理の経験をもとに、当時の状況や今後への教訓についてまとめた体験談、インタビュー記事を掲載しています。今後、定期的に新たな記事をアップしていく予定ですのでご期待ください。

「寄稿:平成28年熊本地震における東部環境工場の被災と復旧に関する取組」

熊本市環境局資源循環部東部環境工場 技術班主査 廣野健二氏

 平成28年4月に発生した熊本地震により、熊本市では2施設ある市の一般廃棄物焼却施設のうち、通常時の約6割を処理していた東部環境工場が甚大な被害を受けました。震災により大量の焼却ごみが発生することが予想される中で、同工場の焼却炉運転を一刻も早く復旧させる必要が生じ、応急的な対応の結果、地震発生から約1か月後までに順次2つの炉の運転を再開することができました。その他、建築設備や外溝も含めた本格復旧には翌年3月までの期間を要しましたが、その間、多くの支援と、何より職員の方々が一丸となって取り組まれたご尽力があったようです。被災と復旧の状況が具体的な写真と共に説明されている他、補助金対応についても記載されています。

「寄稿:平成30年7月豪雨における災害廃棄物処理支援を通じた都道府県の役割とあり方について」

東京都環境局多摩環境事務所 廃棄物対策課長 荒井和誠氏

 筆者は東京都の職員として、平成23年東日本大震災および平成25年伊豆大島土砂災害での災害廃棄物処理を支援し、平成30年7月豪雨による災害時にはその経験を生かして広島県の初動期および応急対策期における災害廃棄物処理支援活動を行ってこられました。本稿ではこれらの活動を振り返り、都道府県における災害廃棄物対策の役割やあり方について、「人」に着目した災害廃棄物対策を中心に、将来、伝えていきたいことを書き綴って頂いてます。(2019/5/31掲載)

「寄稿:大規模災害による被災自動車の適正処理に向けた自治体支援活動について」

公益財団法人自動車リサイクル促進センター再資源化支援部
主事 元起秀和氏

 東日本大震災では自動車リサイクル法に基づく通常のリサイクルルートに乗せられない番号不明被災自動車が大量に発生しました。本稿ではその対応経験を踏まえ同財団で2018年5月にリリースした「被災自動車の処理に係る手引書・事例集(自治体担当者向け)」について紹介されています。被災自動車処理の全般について、適正かつ円滑に自動車リサイクルを推進するための手引き書であり、実務における実用的な様式も掲載されています。(2019/2/28掲載)

「寄稿:平成30年7月豪雨による災害廃棄物の処理に思うこと-D.Waste-Netの活動を通して-」

一般社団法人日本廃棄物コンサルタント協会 副会長・技術部会長
宇佐見貞彦氏

 同協会では平成30年7月豪雨での災害廃棄物処理においてD.Waste-Netの一員として、被災府県の中でも被害が甚大であった福岡県、広島県、岡山県及び愛媛県の4県で支援活動を行いました。本稿では各県での処理の特徴が多数の写真とともに掲載されている他、その活動を通して筆者の方が感じられた支援のあり方等についても述べられています。(2019/1/31掲載)

「寄稿:台風第10号で発生した災害廃棄物処理への県の支援について」

岩手県環境生活部資源循環推進課 主任 白藤裕久氏

 2016年8月下旬、過去の台風に比べ異例のコースを辿りながら東北地方に上陸した台風第10号は、東北地方や北海道で大雨による甚大な被害を生じさせました。本稿では、本災害における災害廃棄物処理での岩手県による岩泉町への支援の様子について述べられています。一旦は混合状態になってしまった一次仮置場に対し、比較的初期に県が分別指導等の支援を行ったことにより、状況が改善した様子も記載されています。(2017/7/31掲載)

「寄稿:平成27年関東・東北豪雨による災害廃棄物処理の最前線」「(その2-①)」「(その2-②)」「(その2-③)」

茨城県常総市災害廃棄物処理プロジェクトチームリーダー 渡邊高之氏

 「ある日突然災害が発生するとどうなるのかを可能な限りお伝えしたい。」と筆者の方からコメントを頂いた第1弾に引き続き、第2弾では水害による被害の状況と災害廃棄物の排出状況が、時間ごとに克明に記録された40枚を超える写真と臨場感の湧く文章で分かり易く、具体的に紹介されています。「水害による災害廃棄物は、様々な場所に、しかし意外と微妙な位置に、激しく混合状態で、爆発的に排出される現実を見ていただきました。」(文章から一部抜粋)
(2016/11/18、2017/2/13掲載)

「寄稿:災害廃棄物の適正処理と高リサイクル率の実現 - 広島市災害廃棄物処理業務 -」

株式会社鴻池組 安達忍氏*1、岸本健三郎氏*1、小山起男氏*1、岡徹次氏*1、橘敏明氏*2、花木陽人氏*2(*1:大阪本店 土木部、*2:土木事業本部 環境エンジニアリング部)

 平成26年8月に発生した広島市における記録的豪雨により大量の土砂を含む50万トンを超える量の災害廃棄物が発生、その処理業務を受託した民間共同企業体による処理事例についての紹介です。同企業体では、市内の1次仮置場の災害廃棄物を新たに設置された中間処理施設(2次仮置場)に運搬し、当初の計画どおり平成28年3月末に分別処理を完了、99.8%の高リサイクル率を達成しました。特に苦労した点等について担当者からのコメントも記載されています。(2016/7/28掲載)


「寄稿:震災廃棄物等の回収作業とボランティアとの関わり」

仙台市環境局廃棄物事業部 部長 遠藤守也氏

 東日本大震災時、仙台市での災害廃棄物処理にあたり、被災者の復旧と再建のため速やかながれき処理が求められる状況にありました。そのような中で行政とボランティアの方々との連携には大きな成果を上げる一方、地域外のボランティアへのごみ分別区分周知、またボランティアのニーズや作業量にマッチした作業をしてもらうための連携をする話し合い時間の確保といった課題点も挙げられています。
(2015/10/30掲載)

「寄稿:東日本大震災災害廃棄物処理の課題と巨大災害への備え(その1)」「(その2)」「(その3)」

一般財団法人日本環境衛生センター西日本支局環境工学部
技術審議役 宗清生氏

 東日本大震災での災害廃棄物処理支援に携わった経験から、処理の過程で生じた課題と今後の巨大災害にどう備えていくべきかについて述べられています。被災市町村への支援、一次仮置場の確保、発注・契約事務、施設建設といった各パートにおける迅速的な対応についての課題、また津波の影響として、資材として活用しにくい「ふるい下くず」が大量発生したことや、焼却対象物への土砂の付着が焼却管理や最終処分に及ぼした悪影響などの技術的な問題にも触れられています。(2015/6/30、7/14、7/30掲載)

「寄稿:災害廃棄物処理の事業主体と役割分担-阪神・淡路と東日本を比較して-」

公益財団法人ひょうご環境創造協会 理事長 築谷尚嗣氏

 阪神・淡路大震災及び東日本大震災、二つの大震災の災害廃棄物処理を比較すると、処理スピードと再生利用率などに大きな違いがあり、一番の理由は東日本での津波被害と考えられるが、筆者は事業主体の違いにも注目、事業主体と処理期間、再生利用率、関係者の役割分担等について述べられています。本寄稿の元になった報告書「災害廃棄物処理に係る阪神・淡路大震災20年の検証」も、当プラットフォームで掲載されています。(2015/1/16掲載)

「寄稿:いわき市における東日本大震災に係る災害廃棄物等の処理について(その1)」「(その2)」

福島県いわき市生活環境部環境整備課 主任主査兼企画係
係長 松本雄二郎氏

 いわき市では、海岸部の津波被害、また内陸部においても本震(震度6弱)に加え、ひと月後に直下型地震(震度6弱)が立て続けに起こるなど被害が拡大、市内で発生した災害廃棄物等の総量は約86.3万t(災害廃棄物67.6万t、津波堆積物18.7万t)となりました。膨大な量の廃棄物の処理をさらに困難にさせたのは原発事故に伴う放射能の問題であり、仮置場のひっ迫、当初の国による県外への持ち出し制限、県内においても暫くの間、他の市町村から受け入れを拒まれる状況の中、処理事業を進めていかれた様子が記載されています。 (2014/10/30、11/28掲載)

「インタビュー:岩手県における災害廃棄物処理を語る(その1)」「(その2)」「(その3)」

岩手県環境生活部廃棄物特別対策室災害廃棄物対策課長 松本実氏

 東日本大震災における災害廃棄物処理では、迅速な処理が求められる中、従来の法令等のルールでは対応が難しい多種多様な状況があり、様々な法令上の措置を講じてもらえるよう要望したほか、なぜ特別な措置が必要なのか関係者に何度も説明し、粘り強く交渉した等、現場では大変なご苦労があったとのことです。こうした処理体制づくりではどのように人材を確保し、また専門家とのサポート体制づくりを行ったかについても言及されています。今後の災害廃棄物処理に向けた課題や処理のポイント等、貴重な知見が詰まったインタビューをぜひご参考にしてください。(2014/5/1、6/27、8/29掲載)


※執筆者の所属、役職は掲載当時のものです。