リレー寄稿

本ページでは、【2018年8月~2019年5月】の期間中に寄稿された【20】の記事を時期の新しい順に掲載しています。

寄稿記事


荒井和誠(あらいかずみ)



東京都環境局多摩環境事務所
廃棄物対策課長
(大阪府出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 東日本大震災が発生した平成23年3月11日当時、私は、東京たまエコセメント化施設(焼却残さ焼成施設:330トン/日)のごみ処理技術管理者、電気主任技術者等を担当し、その後、3月末までの7回にわたる受電電圧6万Vの計画停電を対応していました。そして、翌月の4月に東京都環境局廃棄物対策部(当時)に異動なり、都内ごみ処理施設で災害廃棄物処理を支援する特命を受け、広域処理を受ける立場で関わることになりました。

 また、平成25年10月16日、台風26号に伴い東京都大島町で土石流災害が発生し、その災害廃棄物処理に係る都道府県事務としての市町村に対する技術的な援助、地方自治法の事務委託を受けた島外処理(東京都受託分)を担当し、災害廃棄物処理に係る都道府県事務、市町村の実務者としても関わりました。

○最も強く印象に残ったこと

 宮城県女川町災害廃棄物を都内清掃工場で処理するために開催した住民説明会です。この時期には、放射能汚染を懸念する方々から、抗議や苦情の声が寄せられ、時には罵倒され、ツイッター等のSNSに名指しで誹謗中傷を受けました。そうした中で、東京都職員として、都民の生活環境を第一に考え、被災地において、都内清掃工場で安全に処理するための徹底した分別、3回にわたる放射能測定等について、粘り強く、何度も説明を尽くしてきました。

 そして、広域処理が始まってからは、都内に災害廃棄物が到着する前までに、放射能測定の結果を東京都ホームページで公表し、宮城県女川町の災害廃棄物には放射能汚染がないことを伝えました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 東京都多摩地域(八王子市を除く。)における一般廃棄物処理施設の許認可権者として関わっています。また、直近では、環境省及び広島県からの要請を受け、平成30年7月の西日本豪雨災害に伴う災害廃棄物処理の初動対応として、広島県庁に2週間常駐し、県の災害廃棄物発生量の推計や処理実行計画の策定等の支援を行いました。さらに、応急対策期には、広島県市町に対する災害等報告書の作成支援等を、都内市町村と連携して進めました。

 今後、何時どこで起こるかわからない地震や水害等で発生した災害廃棄物の処理には、これまで培った経験やノウハウ等を生かし、被災自治体を支援していくとともに、こうした取組を後輩職員等とともに活動して、次の世代に継承していきたいと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 一定規模以上の処理能力を有する、災害廃棄物処理が可能な民間の中間処理施設及びその連絡先、輸送手段等の情報を国レベルで整理し公表してほしいです。例えば、災害廃棄物処理実績を有する民間の中間処理施設を、地図上でわかりやすく整理したものを、公開する形でも結構です。

 また、共有したい情報としては、東日本大震災での広域処理、大島土砂災害で発生した災害廃棄物処理の経験です。東日本大震災の広域処理については「東京都災害廃棄物処理支援事業記録」(平成26年3月)、大島の災害廃棄物処理は「大島町災害廃棄物処理事業記録」(平成27年3月)にまとめたものを、東京都環境局のホームページに公開しております。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 平成23年度から東日本大震災災害廃棄物の処理を支援する立場で関わり、平成25年10月の大島土砂災害では当事者として、そして、平成27年9月に、関東・東北豪雨災害に環境省の災害廃棄物対策の検討会ワーキング委員としての初動対応の支援、平成30年7月西日本豪雨災害では、環境省及び広島県からの要請を受け、広島県庁の初動対応と応急対策期の災害等報告書の作成支援等に関わってきました。このように長年の災害廃棄物対策を経験してきた中で、様々な方々と知り合う機会がありました。直近では、平成30年7月に広島県庁で、関東・東北豪雨災害の災害廃棄物処理を邁進していた常総市役所の担当者と会い、その担当者の貴重な経験を踏まえた、臨場感のある支援に繋がりました。

 振り返ってみると、災害廃棄物対策での人的なつながりが、災害発生時の初動対応においては貴重なものだと感じます。また、これまでのリレー寄稿を見て感じたこととして、災害廃棄物処理を経験した者が集う機会があれば、人的なつながりの幅が広がり、災害廃棄物対策の底上げになるのではないかと期待しております。

 これからも、災害時のみならず平時でも、災害廃棄物対策を一歩でも先に進められるように、これまで培った経験、知見、ノウハウを惜しみなく提供し、継承できるように、今後も努力を続けていきたいと思います。

(2019/5/31掲載)

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大塚雅司(おおつかまさし)



一般社団法人
岡山県産業廃棄物協会 会長
タマタイ産業株式会社
代表取締役社長
(岡山県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 岡山県産業廃棄物協会は、平成17年に岡山県と「緊急時の災害廃棄物処理の協力に関する協定」を結んでおりましたが、過去の災害対応の経験をもとに、今回初めて協会が受託者となって、会員の皆様の協力を得て災害廃棄物処理事業を実施いたしました。

○最も強く印象に残ったこと

 「晴れの国 岡山」という標語の通り、今まで比較的災害の少なかった我が県においてこれほどまでの災害が起きるとは想像もしていませんでした。7月7日、8日の豪雨により最初はどこまでの被害が起きたのか全く分かりませんでした。翌7月9日夕方、岡山県を通じて、倉敷市より協定に基づく災害廃棄物処理の協力要請が、協会事務局にあり、翌日より初動対応しましたが、会員企業の中にも多数被災された企業もあり、数日間は混乱しました。被災地の道路や集積所は家からの持ち出しごみであふれ、道路もまともに通れませんでしたが、自衛隊の協力もあり、会員企業からの協力車両もだんだんと増え、8月末までには何とか、一次仮置き場から二次仮置き場まで、市民の皆様の目につくところからは、持ち出しが完了しました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 産業廃棄物協会としては、平成30年11月末までで業務を終了しましたが、災害ごみの中間処理、最終処分・公費解体の処理業務は、会員有志他で構成された共同企業体に引き継がれており、終了まではまだまだ、時間がかかりそうです。

 過去の経験、協定も、今回の西日本豪雨災害を通じて、様々な問題点や課題も見えて来ました。今後、より実行性のあるものにしていかねばと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 今回、上部団体や他県からも、広域連携、支援しようというありがたいお言葉もいただきましたが、現実問題、県内のことで手一杯でした。今後の課題です。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 岡山県産業廃棄物協会として、関係行政機関とも親しくなりましたし、認知もされたと思います。「大きな災害がいつでもやってくる」時代になり、ますます、我々の業界頑張って行かねばと感じております。

(2019/5/31掲載)

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佐藤研一(さとうけんいち)



福岡大学工学部
社会デザイン工学科 教授
(福岡県出身)
研究者系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 東日本大震災の災害廃棄物処理について地盤工学会の「21世紀の新しい地盤環境問題の解決方策に関する研究委員会」の委員長及び「災害からの復興における災害廃棄物、建設副産物及び産業副産物の有効利用のあり方に関する提言検討委員会」のメンバーとして活動したのがきっかけです。この中の活動として、学会としての提言「地震時における地盤災害の課題と対策 2011年東日本大震災の教訓と提言」と「災害廃棄物から再生された復興資材の有効利用ガイドライン」の作成を委員会のメンバーと行いました。この活動の中で被災地の現地調査とその取りまとめを行い、災害廃棄物について多くのことを学びました。

○最も強く印象に残ったこと

 東日本大震災に関しては、膨大な災害廃棄物の処理のために、日本国内のゼネコンが各地域で巨大な分別・焼却施設を整備し、3年間と言う期間内にすべての廃棄物処理事業を終了させていく状況を見ることができたことが印象に残っています。また、各自治体の災害廃棄物処理の様々な取り組みに触れられたことで多くのことを学ぶことが出来ました。特に、地盤工学会のガイドラインを参考に災害廃棄物の処理から再生されたものを復興事業に利用され、形になったことはやりがいを感じました。

 九州北部豪雨では、災害廃棄物の調査で、地震・津波災害とはまったく異なった土砂と樹木の膨大さに驚愕しました。また、地域河川の氾濫から生じた災害廃棄物の処理に自治体の管轄の違いによる処理の場所・方法の違いが災害復興の足かせになっていることを知り、自治体の枠を超えた災害協定などの取組みの必要性を実感したことです。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 これまでの経験を生かして、地域の災害廃棄物処理計画・マニュアルの策定などの支援を行っていきたいと思っております。また、災害廃棄物処理に伴って発生する様々な処理材料を、復興事業に少しでも役に立つように建設復興資材への有効利用のお手伝いや災害に伴って発生した土壌汚染の対策などの業務に携わっていければと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 最近頻発している各種災害から発生・処理された廃棄物の詳細な統計データが知りたいと思います。また、自治体の災害廃棄物への取組み状況(特に被災した自治体が苦労・成功した取組み)などの情報を整理したものがあれば、これから災害廃棄物対策を進めて行く自治体の参考になると思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 ここ数年、多くの自然災害が起こり、その度に災害廃棄物の処理の問題が発生しています。この処理は、初動対応が最も重要と考えられます。そのためにも自治体のマニュアル整備と地域連携と協定の締結を進めることが重要であると考えています。

(2019/4/26掲載)

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槙岡達真(まきおかたつま)



株式会社こっこー
代表取締役会長
(広島県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成30年7月に発生した西日本豪雨で、広島県と広島県資源循環協会の「地震等大規模災害時における災害廃棄物処理等の協力に関する協定」に基づき、呉市からの支援要請により、災害廃棄物仮置き場での受け入れ作業に当たりました。その後呉市より災害廃棄物仮置き場での受け入れ管理を受託し、災害廃棄物の受け入れ、選別、焼却場への運搬作業を行いました。

○最も強く印象に残ったこと


広島県呉市の災害廃棄物
仮置き場の様子(平成31年3月)

 この度の災害では、被災各地の災害廃棄物仮置き場が早期に満杯となり、路上に放置されるなどの状況になりました。幸い私共が管理させて頂いたグランドは十分な広さがあり満杯になることはありませんでした。しかし復旧作業が進んでいくにつれ、搬入されてくる廃棄物の種類(形状)は徐々に変わってきて、分別の判断に困るものが増えてきました。当初区割りした置き場では対応できなくなり、置き場を分散する状況となりその後の処理が非効率になってしまいました。災害廃棄物の仮置き場の場所、広さ、管理方法の重要性を再認識しました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 平成31年1月から「呉市災害廃棄物処理実行計画」による「災害廃棄物仮置き場における災害廃棄物処理業務」を受託し、破砕機、選別機を導入して本年末を目標に処理業務を行っています。

 災害廃棄物の円滑な処理は、災害からの早期復旧・復興にとって重要課題です。災害廃棄物は破損したものも多く、通常のルートでは処理ができないものが多く排出されてきます。これら処理困難物の適正処理、リサイクル推進方策を探っていきたいと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 大規模災害での廃棄物は雑多で、一時期に大量に発生します。

 災害廃棄物は、自治体による処理が基本ですが、大規模災害では自治体の処理能力を超える場合が多く、産業廃棄物処理業者等への委託処理が行われています。しかしながら行政、廃棄物処理業者共に災害廃棄物対応の経験が乏しく、この度も初動時にはちぐはぐな対応になってしまいました。迅速、円滑な処理を行うにあたり、各地の災害廃棄物処理の体制や方策などの情報を行政、処理業者で共有することが必要だと思います。

 この度の災害廃棄物処理に当たり、リマテック株式会社様には多大のご指導をいただきました。現在処理を継続中ですが、教授いただいたノウハウを少しでも自分たちのものにし、将来に備えていきたいと考えております。

(2019/4/26掲載)

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松田勝久(まつだかつひさ)



朝倉市 市民環境部 環境課
課長
(福岡県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成29年4月1日付の人事異動で環境課へ異動となり、7月5日に発生した九州北部豪雨災害での災害廃棄物との関わりですが、1年目にして怒涛の経験をすることになりました。

 当日、特別警報が発令され「線状降水帯」という用語を耳にしましたが、まさか本市にあれだけの災害が発生するとは思いませんでした。

○最も強く印象に残ったこと

 道路・電気等のインフラが寸断され、発生した「災害廃棄物」の処理をどのようにすればいいのか、非常に不安でしたが発災翌日には環境省の支援チーム(D.Waste-Net)に現地入りしていただき、あらゆる種類のアドバイスをいただきました。

 また、福岡県をはじめいろいろな自治体から各種の支援をいただいたことには、感謝に足りる言葉もありません。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 災害廃棄物の処理に関しては、あらかじめマニュアルを作成し、廃棄物処理を行う体制を整えていましたが、災害規模が想定を超えるものであったためマニュアルの限界と、より大規模災害を想定したものとする必要性を感じました。

 また、防災との連携や整合等の課題も浮き彫りになったので、危機管理・被害管理等を含め災害等に対処できる体制づくりをしたいです。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害は「想定外はない」「いつでも起きるもの」という認識を持つことが大切です。

 国・県・関係機関等での情報共有や広域的なマニュアル作成等も必要と思われます。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 住宅をはじめ生活物資が瞬時にして災害廃棄物(ゴミ)になるため、環境部門は発災直後から即時の対応を求められました。関係機関からの情報提供をはじめとする各種の支援により廃棄物処理を行っていますが、廃棄物の集積にあたり必要な用地やアクセス手段(道路)等の整備・確保の重要性を痛感しました。

 本市も「少子高齢化」の渦中にあり、今後の災害対応等も違ったものになると思われます。

 また、今回の災害対応で得たスキルを決して絶やさず承継し、災害に対し備えを怠ることなく自戒しております。

(2019/3/29掲載)

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中山裕文(なかやまひろふみ)



国立大学法人九州大学大学院
工学研究院 准教授
(福岡県出身)
研究者系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 2008年5月に発生した四川大地震について調査するため、中国の同済大学、西南交通大学の協力を得て組織した調査団(日本側リーダー:九州大学 島岡隆行教授)に同行し、現地の被災状況や災害廃棄物処理状況の調査に初めて参加したことがきっかけです。地震により廃墟と化した市街地をあえて復興せずに災害遺構として保存し、別の場所に新たに町を建設するという方策に衝撃を受けたことを覚えています。その後、2011年には東日本大震災、タイ洪水、2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨災害、イラン・ケルマンシャー地震、2018年熊本地震、西日本豪雨等において調査に参加し、災害廃棄物の発生や処理に関する記録を残す作業に参加させていただきました。

○最も強く印象に残ったこと

 最近の災害廃棄物調査で強く印象に残っていることは、過去に蓄積されてきた知見が、その後に発生した災害に着実に活用されていると実感することです。例えば九州北部豪雨災害では、自治体や関係組織の災害廃棄物担当者が、事前の研修会等を通じて良好な関係を築いていました。発災直後の仮置場を視察したとき、分別配置や被災住民からの廃棄物受け入れ態勢の構築等、初動がとてもうまくいっており、周辺自治体からもすぐに応援がかけつけていたことを覚えています。九州北部豪雨災害の直前にも、熊本地震を経験した自治体職員を講師とした研修会が開催されており、参加していた自治体職員は、発災時には研修で配布された資料が大いに役に立ったと感想を聞いております。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 ドローン、IoT、AI、ビッグデータといった技術を災害時の廃棄物処理にうまく活用するための研究開発や組織体制づくりに関わっていきたいと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 最近では、災害時に仮置場等でドローンを用いた動画撮影や3Dモデルによる廃棄物体積の測量などが行われています。そのようなデータを共有するプラットホームがあればよいと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 多様な専門分野の研究者が、災害対策を通じて情報交換を行い、つながりを持つことができる場が構築されつつあると感じています。例えば、日本学術会議が開催する防災学術連携体のような組織の役割が、今後ますます重要になってくると思います。

(2019/3/29掲載)

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佐山雅史(さやままさし)



山元町 東部地区基盤整備推進室
班長
(宮城県より出向中)
(宮城県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 私は宮城県の職員として平成4年4月に採用され、主に農業土木(土地改良)を専門とする農林水産部の職員として勤務してきましたが、平成22年4月より、部局間の人事交流として、環境生活部の資源循環推進課(産業廃棄物の3Rを推進する部署)に勤務しておりました。

 そうした中、平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、県全域が未曾有の被害に見舞われた際、環境生活部に在籍する土木系の職員として災害対応に係わったのがきっかけです。

○最も強く印象に残ったこと

 東日本大震災が想像を絶する被害をもたらした災害であったことから、正直、全ての光景が印象に残っているところですが、災害廃棄物処理に限ってのみ上げるとするならば、やはり、御支援いただいた方々の人間性ではないでしょうか。

 災害廃棄物処理を県が受託すると決定した後、私は主に石巻ブロック(石巻市、東松島市、女川町)の災害廃棄物処理を担当しておりましたが、石巻ブロック内だけでは処理仕切れない災害廃棄物が多々発生し、まさに「万策尽きる」という状態の中、環境省からの呼びかけもあって、県内のみならず、全国の自治体や民間の方々から多大なる御支援をいただきました。

 特に、自治体の担当者様におかれましては、自ら被災現場や処理施設に足を運んでいただき、被災地(被災者)目線で対応や対策を考えていただいたことに加え、組織内部や地元調整等で大変な御苦労をなさっていたにも関わらず、そういった仕草は一切見せずに石巻ブロックの災害廃棄物処理に全力で取り組んでいただいた姿は、決して忘れることができません。

 そのためか、私自身は「支援していただいた」というより、「災害廃棄物を一緒に処理していただいた」という印象が強く残っています。

 宮城県の災害廃棄物処理に関わっていただいた全ての皆様方、本当にありがとうございました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在は県の最南端に位置する山元町に出向し、被災した農地の復旧・復興に関する仕事に携わっているため、災害廃棄物の処理に直接関わる機会は少なくなりましたが、平成28年に発生した熊本地震や平成30年7月豪雨の際には、微力ながらお手伝いをさせていただきました。(役に立ったかどうか解りませんが・・・)

 自分は根っからの現場の人間なので、処理施設用地の造成、施設建設、処理工程等、現場サイドで必要とされる情報については、経験を交えどんどん発信していきたいと考えておりますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸です。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物を適正かつ迅速に処理するためのマニュアル(指針)については、自治体毎に整備が進められていることと思いますが、実際に災害廃棄物の処理を計画する担当者としては、そうした処理マニュアル(指針)のほかに、「成功談(これをやって良かった!)」や「失敗談(こうしておけば良かった!)」といった「生の声」がより実践で役に立つと思いますので、是非、そういった情報を共有できる体制を整備したら良いのではないかと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 災害廃棄物処理に携わって強く感じたこと(実感したこと)は、効率的かつ適正に処理を進めるためには「総合力」が必要だということです。

 災害廃棄物処理に携わる行政職員は、大きく分けて事務系と技術系に分けられ、技術系はさらに土木系と環境系に分けられると思いますが、事務系と技術系(土木、環境)が一体となり、それぞれが得意分野のスキルを発揮しつつも、足りない部分を補い合って進めていくことが重要になります。(どれか一つも欠けてはならないと思います)

 自治体は行政サービスの面から縦割り組織が一般的ですが、いつ発生するか解らない災害に備え、縦割り組織の壁を越えなければならない時が必ずあると思いますので、「総合力を養う」という意味でも、横の連携を意識した人材育成を行ってほしいと考えております。

(2019/2/28掲載)

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紺谷洋之(こんたにひろゆき)



リマテック株式会社
専務取締役
(大阪府出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年東日本大震災です。発災5月に現地入りし、5月より岩手県大船渡市仮置き場管理業務、その後同年7月に同市の災害廃棄物の処理・再資源化のため二次選別所管理業務を施工しました。

 どの市町村よりもいち早くスタートした事により、手探り状態で施工しましたが、その経験により平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害、平成29年台風18号による九州北部地域での豪雨、平成30年台風21号による大阪府内災害廃棄物処理の施工管理や平成28年熊本地震や平成30年西日本豪雨に関しても携わることとなりました。

○最も強く印象に残ったこと

 東日本大震災での現場へ初めて調査へ行った時の光景をいまだに忘れることができません。まだがれきだらけの街に自衛隊や消防関係者の方々が行方不明者を捜索している現場で、私なりに何とか協力したいと力が漲ったことが強く印象に残っています。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 地震や豪雨災害が毎年のように起こる現在、災害廃棄物に関して地元の業者様が施工し、復興していくことが一番と考えています、その為当社は、今までの経験を活かし連携し効率の良い災害廃棄物処理に取り組みたいと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 私も今回の大阪での台風により家屋被害に遭いましたが、地域によって発生直後の災害廃棄物の出し方、解体での分別の仕方に誤差がありました。市町村だけではなく町会など、今後初動に関して、仮置場での分別徹底などをすることにより、公費が減少する事や安易にリサイクルができると思います。

(2019/2/28掲載)

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鈴木雄一(すずきゆういち)



宮城県東松島市
建設部下水道課
経営班 班長
(宮城県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成21年度から2年間の予定で宮城県の環境生活部に派遣され、一般廃棄物の3Rに関する業務を担当していました。
 東松島市に戻る直前、平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、戻ると環境課に配属されました。
 当時の職員は、自身も被災者であったことや、昼夜を問わず様々な災害対応に追われていたこともあり、通常業務とは大きく異なる災害廃棄物処理事業に手を付ける余裕がありませんでした。そのような中、戻ったばかりで、気力、体力が残っていたことから、自発的に担当したように記憶しています。

○最も強く印象に残ったこと

 本市を襲った10mを超える津波は、沿岸部の住宅地を壊滅させ、そのまま内陸2kmまで浸水しました。
 災害廃棄物の発生量は3,259千トン(内津波堆積物2,161千トン)で、本市の一般廃棄物の年間発生量300年分以上に相当します。
 市内に散乱したガレキや津波堆積物は、一刻も早く撤去する必要がありましたが、行方不明者の捜索を何よりも優先したこと、資材や燃料の不足、また、災害廃棄物処理事業を担当する東松島市建設業協会42社の全てが被災していたこともあり、発災初期は、被災者の求めるスピードに対応できませんでした。その時の歯がゆさを、鳴りやまない電話の音と共に覚えています。
 また、本市では、仮置場への戸別回収を行っていましたが、被災者の方々の多くが、分別を徹底していました。災害中の混乱期においては、モラルハザードが起こりがちですが、本市においては、そのような事はなく、分別した状態で仮置場に搬入することができました。
 本市の災害廃棄物処理事業は、発災初期から分別を徹底したことによるリサイクル率(99%)の高さと、処理費用の削減に成功した成果と合わせ、「東松島市方式」として広く発信しているところですが、結局のところ、被災者一人一人の意識の高さに支えられたものであったと感じているところです。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 東日本大震災での成功や失敗は、今後の災害対応において、非常に貴重な経験であったと考えています。現在は、その経験について、広く発信することに努めており、今年6月には、消防庁が主催する災害マネジメント総括支援員研修で説明する機会をいただきました。
 本市には、全国の自治体の方々から、未だ多くの支援をいただいていますが、支援職員の方々を対象に、災害廃棄物処理事業の研修会を行っているところです。災害の種類や規模、被災地の地域性等、全てが大きく異なる中で、どうすれば被災者の期待に応えることができるのか、私自身未だ勉強中ではありますが、今後も東日本大震災での経験について、伝えていければと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 被災地への支援方法についても検討が必要であると感じています。
 支援物資やボランティアについては、その在り方への議論が進んでいますが、災害廃棄物処理事業に関しても、検討すべき点があるように感じています。
 東日本大震災の際にも、様々な専門家や経験者が突然被災地を訪れ、一方的に担当者への助言等を行う事案が散見されました。
 支援はありがたいものですが、様々な災害対応に忙殺されている担当者を拘束することは、被災地にとってプラスには働きませんし、与件で対応せざるを得ない状況や地域性、災害の種類や対応事項の優先順位を無視したものでは、意味がありません。
 このような点を踏まえ、今後は、災害廃棄物処理事業における支援と受援の在るべき姿について検討して、発信していくことが、必要になってくると感じています。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 災害廃棄物は、単純に燃やして埋めれば、早く、場合によっては費用も軽減できるかもしれませんが、それでは単なるゴミ処理でしかありません。
 元々は、住民の財産であり、思い出や歴史であったものです。
 例えば、分別を徹底し、多くのものをリサイクルする事ができれば、倒壊した家屋や、思い出の品も、新しく生まれ変わり、復興の礎になったと感じることができるかもしれません。
 また、仕事を失った方々を仮置場等で雇用すれば、生活を支えることができますし、休憩時間などに被災者同士が他愛もない話をすることで、新たな一歩を踏み出すきっかけを見つけることができるかもしれません。
 もしかしたら、分別等の取組が評価されて、そのことが報道されれば、被災した方々の不安を拭い、復旧復興に向けた希望が芽生えるかもしれません。
 災害廃棄物処理事業は、発災後、復旧復興に向けて立ち上がる、最初の大規模公共事業です。だからこそ、被災した方々に明日への希望を抱かせ、誇りを取り戻す役割をも担っており、また、その期待に応えることが充分可能な事業であると考えています。

(2019/1/31掲載)

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西村良平(にしむらりょうへい)



株式会社鴻池組
執行役員
技術本部副本部長
(兵庫県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 青森・岩手県境不法投棄事案を経て、岐阜市北部地区産業廃棄物不法投棄事案で埋立廃棄物の分別に携わっていた平成23年3月に東日本大震災が発生しました。不法投棄事案で培った分別技術を応用すれば、必ず災害廃棄物からも再資源化物を分別することができると考えました。その後、多賀城市、広島市、熊本市において災害廃棄物処理に携わってきました。

○最も強く印象に残ったこと

 東日本大震災の多賀城市、平成26年8月豪雨の広島市では、既に一次仮置場に集積された災害廃棄物を二次仮置場に運搬・処理すれば良かったのですが、平成28年熊本地震による熊本市の災害廃棄物は家屋解体廃棄物が主体であり、未整備な仮置場の運営を始めると同時に、毎日数千台もの解体廃棄物の搬入車両が押し寄せました。この時感じた恐怖が強く印象に残っています。仮置場での中間処理を最小化するため、熊本市と熊本県解体工事業協会と協議し、コンクリートがらは再資源化施設に直接搬出すること、現場で約40品目に分別解体してもらうことを取り決め、さらに最も嵩高い木くずは未破砕や粗破砕でも受入可能な処理先と広域連携して処理することで事なきを得ました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在、平成30年7月豪雨により被害を受けた広島県安芸郡坂町と東広島市の災害廃棄物処理に携わっています。また、環境省主催の災害廃棄物対策セミナーや関係学会の技術発表会などを通じて、これまでの災害廃棄物対策で得た知見や経験を積極的に発表しています。
 今後は石膏ボードのリサイクルに取り組みたいです。被災家屋の解体で発生する石膏ボードは石綿含有のおそれがあり、ほとんどが管理型埋立処分されています。これを仮置場で検査し、非石綿含有のものはリサイクルしたいと考えています。まずは非石綿含有物であることを識別できるセンサーの開発に着手しています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 処理後物の基準、特に粘土瓦やレンガなどの安定型埋立処分される不燃物をリサイクルするための基準、前述した石膏ボードをリサイクルするための判別基準などが整備されれば、最終処分場の負荷軽減やリサイクル率の向上に寄与すると考えます。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 東日本大震災以降、平成26年8月豪雨、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などを経て、災害廃棄物処理はマニュアル・制度化が進み、現場作業がやりやすくなってきています。また、木くずや可燃物の現地破砕が少なくなり、粉じんの発生や火災発生のおそれが低減されてきました。これらは、災害廃棄物処理に携わる関係者間の情報共有や行政間の相互支援などの賜物と感じています。今後は木くず、畳、ソファ、マットレス、可燃物などを未破砕で受入れ可能な処理先の確保や、仮置場内での中間処理作業を最小化する処理方法を含めた具体的なマニュアルづくりが必要と考えます。

(2019/1/31掲載)

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平山修久(ひらやまながひさ)



国立大学法人
名古屋大学減災連携研究センター
准教授
(兵庫県出身)
研究者系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 小生の学術的バックグラウンドは水道工学であり、当時学生であった1995年阪神・淡路大震災から、水道の災害対策をテーマに研究活動を行ってきています。学位論文を取得し、2004年に神戸にある防災研究機関である人と防災未来センターの主任研究員に着任しました。2004年は、佐賀県竜巻災害からはじまり、新潟豪雨など台風10個が直撃し、新潟県中越地震、さらにはスマトラ沖地震津波災害がありました。そのとき、河田惠昭人と防災未来センター長から「君は環境工学だろう。水道だけではなく災害ごみも研究しないといけない」と言われ、災害廃棄物に関する研究に取り組み始めました。

○最も強く印象に残ったこと

 2011年東日本大震災です。2005年に、スマトラ沖地震津波災害の被災地であるインドネシア・バンダアチェに被災地調査で訪れました。そのときと同じ被災地の風景を、日本で見ることになってしまいました。2004年以降、災害廃棄物量の推定手法の開発など主にマネジメント手法に関する研究を進めていたのですが、東日本大震災では、それまでの自分の研究活動がまったく役に立っていないと悔しい思いをしたことが最も印象に残っています。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 2004年に、小生が災害廃棄物の研究に取り組み始めた頃、我が国で災害廃棄物分野の研究者がほとんどいない状況でした。それから15年余りが過ぎた現在では、災害廃棄物分野がひとつの学術分野として確立されつつあります。
 災害廃棄物対策は、災害時の災害廃棄物を適正かつ迅速に処理する活動を通じて、災害時においても市民や地域の環境衛生面での安全・安心を確保することがミッションとなります。そのためには、地域における環境レジリエンス、すなわち、地域で災害廃棄物という困難を乗り越える力を高めていくことが必要です。今後は、持続可能な社会を目指す環境分野と安全・安心な社会を目指す防災分野とのつながりを、産官学民協働でつくることが必要であり、そのつながりのための場づくりに取り組んでいきたいと思います。また、環境工学の専門家であり、防災学の専門家である災害環境分野の専門家の育成に取り組みたいと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物処理に関するテクニカルなものだけでなく、防災分野など他分野との協働事例や米国などにおける災害廃棄物対策や統合的な人材育成に関する情報をぜひ災害廃棄物情報プラットフォームで共有していただきたいと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 南海トラフ巨大地震などの国難を克服するためには、廃棄物部局における災害レジリエンスの向上が必要不可欠です。そのためには、廃棄物部局における災害対応の人材育成の重要性を社会で共有し、我が国の制度としての災害廃棄物に関する研修プログラムを構築し、産官学協働での人材育成事業の実装を行い、災害廃棄物対策の主流化を目指すことが肝要であり、その情報基盤としての本情報プラットフォームに大きく期待しています。

(2018/12/26掲載)

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松下公夫(まつしたきみお)



西原村役場 保健衛生課係長
(熊本県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成26年4月環境係に異動して2年。災害が多いと言われる九州の中で災害廃棄物とは無縁で過ごしていました。そんな私の住む西原村で平成28年4月14日21時26分に発生した熊本地震で(後に前震と呼ばれる)震度6弱を観測、翌15日には災害廃棄物仮置き場を開設し受け入れ態勢を確保していましたが、4月16日1時25分に発生した震度7を観測した本震では、前震とは比べようもない揺れに仮眠中のベッドから立ち上がることすら出来ませんでした。
 夜が明け、目の前に広がる惨状に肌が粟立ちました。

○最も強く印象に残ったこと

 地震発生後、自治体職員の皆様をはじめ、多くの方にご支援いただいたことです。東日本大震災を経験された東松島市の職員の方が、地震発生後すぐに駆け付けていただき災害廃棄物処理について助言、指導していただいたこと、佐賀市環境部の皆様による一般家庭ごみの収集運搬支援、また、九州をはじめとする多くの自治体職員の皆様に仮置き場での分別指導及び荷下ろしの手伝いの支援を頂き、仮置き場の当初運営が良好に行えたことが印象に残っています。
 昨今、被災地で災害廃棄物の山の映像が流れることが増え、仮置き場における分別の重要性も報道されています。西原村の仮置き場が良好に運営できたのも、多くの皆様にご支援いただいた結果であると思っています。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在も熊本地震に伴う災害廃棄物処理業務を継続して行っています。また、熊本地震の経験を多くの皆さんに伝えることが、ご支援いただいた皆様へ少しでもお礼になればと思い、都道府県主催の災害廃棄物処理事業研修会等でお話をさせていただいており、お声掛けがあれば今後も伝えていきたいと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 仮置き場の管理運営、搬入された廃棄物の運搬や処理先の確保といったものは、廃棄物処理事業者に委託するしかないのが現状です。ただし、都道府県によっては一括した組織体制がない場合もあります。今後は行政のみならず、関係諸団体も都道府県の枠を超えた情報共有を実践し、多くの災害廃棄物処理事業のノウハウを共有することでよりスムーズな災害廃棄物対策が実践できるのではないかと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 熊本地震では、多くのボランティアの皆様にご支援いただきました。特に災害廃棄物処理事業では、被災した家屋から壊れた家具等を取出し、仮置き場まで運んでいただきました、その中で廃棄物の分別の必要性を理解していただき、実践された結果、仮置き場での混乱もなく良好な管理運営とスムーズな搬出が可能となり、再生利用率の向上につながりました。ボランティアの皆さんへ分別の必要性を丁寧に説明することは非常に大事だと思いました。

(2018/11/30掲載)

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林信太郎(はやししんたろう)



前田建設工業株式会社 土木事業本部
営業第1部 第1グループ・リーダー
(愛知県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成23年の東日本大震災です。福島県の復興関連工事の本社担当となり、当時(平成24年5月)計画されていた今後の本格除染工事や福島県内の津波により発生した災害廃棄物の処理に向け、福島県の楢葉町を視察したのが始まりです。避難されている地元の方々のところにも参り、避難生活を余儀なくされている憤り、生活再建に向けた切実な思いとともに、地元に寄り添った一日も早い復興事業の推進を望まれていることを直接伺いました。

○最も強く印象に残ったこと

 被災地を視察した当時の福島の浜通り地区は、放射能による環境汚染の影響もあり、手つかずの状況でした。農地は雑草が生い茂り見る影もなく、津波浸水域のがれきは残されたままであり、舗装が割れ、荒れた道路には取り残された牛が悠然と歩いておりました。立ち寄った老人ホームには、入口にたくさんの車イスが散乱した状態で、避難時のまま残置されておりました。私は、入社時にJヴィレッジに宿泊し、楢葉町の木戸ダムで新入社員研修を行ったのですが、当時の思い出の町の姿はなく、大きなショックを受けるともに、被害の甚大さと事態の深刻さを改めて痛感しました。この時、一日も早い復興のために、何かできればという思いを強く持ちました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在、双葉町の被災家屋の解体・除染、中間貯蔵施設の除去土壌の輸送、受入・分別施設、土壌貯蔵施設及び減容化施設等の当社施工中の復興関連工事を技術面等も含めて横断的に支援しております。除染工事及びそれに伴い発生した除去土壌等の処理については、前例がなく、手探りの状況でしたが、発注者様、作業所、技術部門等の関係者と一丸となって、課題解決に向けて取り組んで参りました。今後は、中間貯蔵施設の事業がますます大規模化して参ります。さらには、除去土壌等の再生利用に向けての技術開発や意識醸成のための取り組みが進んでおります。引き続き、地域の方々に寄り添った安心・安全な事業推進に貢献して参りたいと思います。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害はいつ起こるかわかりません。よって、災害を想定した事前の備えが重要であると思います。
 一方、山間部や海岸部、あるいは都市部などの地域特性や災害の種類(水害、地震等)によって廃棄物の種類別の発生量は異なると考えられますが、現状はそこまでの分析は進んでいないと考えます。また、これまでの事例において、それぞれ事情により、処理が困難であったものやその際の対応事例が体系的に整理されるとより有効な情報となるのではと考えます。そのような分析や情報がまとまってくると、私たち建設会社が、災害に備えた事前の計画段階から運搬、仮置場、分別処理及び再利用について、より具体的な貢献ができるのではと考えます。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 福島の浜通り地区の復興関連工事では、国や自治体、大学、研究機関、民間(建設業や異業種)、さらには被災された地元の方々をはじめ、多くの方々からご指導・ご支援・ご協力をいただきました。このような有事の際には、あらゆるステークホルダーと有機的に連携し、取り組むことの大切さを学びました。
 過去の災害を風化させず、次の国土を守る世代に伝承していけるような人材育成とネットワークの形成が大切であると思います。私としては、まだまだ学ぶ側なので、これからも初心を忘れずに様々な課題に対して真摯に取り組んで参りたいと思います。

(2018/11/30掲載)

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宮越靖宏(みやごしやすひろ)



JFEエンジニアリング株式会社
福島再生プロジェクトチーム リーダー
(福井県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年の東日本大震災です。発災の当月末に上司に連れられ、被災地視察のために横浜~仙台間を車で日帰り往復したのが始まりです。当時は、災害廃棄物とは全く無縁の業務に携わっていたため、被災地の惨状を目の当たりにしながらも、その後の災害廃棄物処理の急展開を予想できませんでした。

○最も強く印象に残ったこと

 宮城県の復興に向け災害廃棄物処理が迅速に進められたことが印象に残ります。発災の翌月には仙台市で仮設焼却炉による処理計画が始まり、半年足らずで建設を終え、10月1日には操業が開始されました。宮城県の宮城東部ブロックの災害廃棄物処理では廃棄物の運搬から破砕選別、仮設焼却炉による焼却処理、さらに津波堆積物や焼却灰の資源化まで、未経験の仕事が多々あり苦労はありましたが、履行期限の2年間で完遂できました。これらの業務を通して、協働させていただいた建設会社の皆様には学ぶところが多々あり、感謝の気持ちは未だに絶えることはありません。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在、福島県双葉町で中間貯蔵施設の減容化施設を建設中です。本業務は仮設焼却炉の焼却灰をさらに溶融減容するという我々にとって初めての仕事で遂行には困難が予想されますが、JVパートナーや協力会社の皆様と力を合わせ安全・確実にやり遂げ、この地に貢献することが目下の目標です。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 東日本大震災の災害廃棄物処理で培われた技術や情報が福島第一原子力発電所の廃棄物処理業務に共有され、廃炉推進の一助になればと愚考します。原子力発電所における業務は法規制や管理の厳格さなど、我々が行っている発電所外の業務とは多くの違いがありますが、より安全で合理的な選択肢がひとつでも増えることは我々国民の利益に繋がるのでないかと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 東日本大震災の廃棄物処理に携わり再認識させられたのは、これだけの難局に直面しても怯むことなく適切な解決策を導き、着実に遂行するエコシステム(社会的生態系)と人々がこの国には存するということです。その一員たるべく、事に臨んでは己の狭い視野からより大きな問題を見落とすことのないよう、常に他者から学ぶことを心がけたいと思います。

(2018/10/31掲載)

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山下晃(やましたあきら)



三重県
(三重県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成28年4月に三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物・リサイクル課に着任し、災害廃棄物対策に従事することとなりました。着任日に、三重県南東沖を震源とする最大震度4の地震が発生し、初日から肝を冷やしたことは忘れられません。幸いにしてこの地震で大きな被害は発生しませんでしたが、災害はいつ起こるかわからないということを再認識しました。

○最も強く印象に残ったこと

 平成28年熊本地震では、熊本市内で発生した生活ごみ等の収集運搬業務を支援するため、三重県内の7市・1組合から廃棄物収集運搬車両を職員とともに派遣いただきました。
 市町村は自らの廃棄物収集・処理業務においても限られた人員や体制で対応しているなか、支援要請に対して迅速に派遣することを決断、対応いただいたことにとても感銘いたしました。また、現地で派遣職員の方と行動を一緒にした時、職員の行動力の高さと臨機応変な対応が強く印象に残っています。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 平成29年台風21号で被災した三重県内市町等の災害廃棄物処理に係る支援業務のほか、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)では対口支援により広島県熊野町で災害廃棄物処理支援に従事しました。
 発災時に災害廃棄物処理の最前線に立つ市町村が、廃棄物を迅速かつ適切に処理することができる体制構築に向けた環境を整備していくことが大切だと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 被災自治体は災害廃棄物処理に直面した時、具体的にどのような対応や手続きを取るべきか、多忙な業務に対応するなか、困惑する事態となります。これらを支援するため、発災時における仮置場の設置・運営方法のほか、処理困難物への対応、廃棄物関係団体等との調整、災害関係補助金の適用など、実際に被災した自治体での具体的な対応事例等をぜひ、共有(データベース化など)していただければと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 災害廃棄物処理の被災地支援や当県で実施している災害廃棄物に精通した人材育成事業などを通じて、被災自治体や関係団体などのいろんな分野の皆様と出会うことができました。私自身が災害廃棄物処理の対応で困ったときに、突然、電話やメールで相談しても、いつでも快く対応・相談にのっていただいたことは非常にありがたく感じています。やはりお互いに顔の見える関係を構築していくことがとても大切なことと感じました。

(2018/10/31掲載)

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東條安匡(とうじょうやすまさ)



国立大学法人
北海道大学大学院工学研究院
環境創生工学部門 准教授
(千葉県出身)
研究者系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 阪神大震災後に廃棄物学会内に作られた自主研究グループ(リーダー:島岡先生)に加えていたことがきっかけです。兵庫県、大阪府内に設置された多数の仮置場を視察した他、当方は北海道なので1993年に発生した北海道南西沖地震、釧路沖地震での廃棄物処理状況の調査も行いました。

○最も強く印象に残ったこと

 東日本大震災の発災1ヶ月後に岩手県にタスクチームの一員として入りました。すぐに太平洋側の沿岸部を視察に行きましたが、呆然としました。95年の阪神大震災と比べると、津波で何もかもが目茶苦茶に混ざり合っていて、この混合物の適正処理は極めて困難だと感じました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 巨大災害ブロック協議会に加えて頂いていますが、小さな自治体では実行計画や処理計画の策定について意識が低かったり、人材不足から作成自体が難しい状況にあると感じています。計画策定を支援するツールのようなものを作れないかと思っています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 東日本大震災後の専門家のネットワークは非常に有効に機能したと思います。発災時に同様のネットワークがすぐに立ち上がり支援できる仕組みが重要だと思います。D.Waste-Netのような仕組みはその意味で必ず役に立つと信じます。加えて、過去の災害での対応事例を網羅的に整理しておくことも重要であると思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 東日本大震災の後、すぐに学会内にタスクチームが立ち上がったこと。また国立環境研究所の山田先生が知っている方々を集めネットワークを作ったこと。当方はタスクチームのメーリングリストを管理していましたが、次々に多くの方が協力・支援に立ち上がり、リストに登録してほしいと連絡してきたことに感激していました。この分野の方々は被災地の状況に対して何とか貢献したいと考えていることが本当によくわかりました。

(2018/9/28掲載)

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小野義広(おのよしひろ)



新日鐵住金エンジニアリング株式会社
環境ソリューション事業部 部長
(大分県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 弊社では2000年頃からシャフト炉式ガス化溶融炉を用いた災害廃棄物処理に取り組んでおり、私も弊社納入施設周辺で起こった水害や高潮、地震で発生した廃棄物処理について処理方法の検討・検証を行ってきました。また東日本大震災では、廃棄物資源循環学会の焼却部会のメンバーの一員として、震災廃棄物処理の経験を今後に生かす為に、記録や資料を取りまとめて情報発信を行いました。

○最も強く印象に残ったこと

 シャフト炉式ガス化溶融炉の商用1号機は釜石市に採用して頂きました。またシャフト炉の改善研究も釜石市にお世話になり、私自身この改善研究の間、釜石に3年間住んでいました。TVの向こうに映る見慣れた街並みが津波によって一変してしまう光景があまりにショックで、併せて災害に翻弄される方々の姿をみると、少しでも早い復興のために役に立たなければという使命感に駆り立てられました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 中間貯蔵施設での減容化施設にシャフト炉を採用して頂くことになり、放射性セシウムに汚染された廃棄物の本格処理を開始します。まずは安全・確実な処理を実現することに全力を挙げていきます。また各地で頻発する災害対応においても、当社グループが各地での災害廃棄物処理で積み重ねたノウハウを生かし、迅速な支援が行える体制を整えたいと考えています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 処理をする立場からは、処理すべき災害廃棄物の質と量を早く把握したいです。同時に処理可能な質と量を提示する必要があると思います。しかし、災害廃棄物は発生個所や被災状況によって多種多様で実際にモノを見ないと、処理を依頼する側も受ける側も何とも言えない(質も量も判らない)のが現実です。まずは早く災害廃棄物を集積することが重要で、平時にその場所を確保しておくことが必要と思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 昨今は豪雨災害も多発しており平時の備えの重要性は皆理解していると思うのですが、市町村で災害廃棄物処理計画が策定されているのは2017年度末で33%だそうです。平時に検討してもなかなか整理できないことが、災害時には待ったなしで決断を迫られます。今年(2018年9月現在)も災害は次々と起きています。完全でなくとも、検討して難しい部分を浮き彫りにするだけでも大きな意味があるように思います。

(2018/9/28掲載)

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日笠山徹巳(ひがさやまてつみ)



株式会社大林組
エンジニアリング本部
(鹿児島県出身)
支援者団体系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年東北地方太平洋沖地震の津波により発生した災害廃棄物の処理・処分工事における支援業務および関連技術の開発がきっかけです。また、災害廃棄物や津波堆積物などに起因した環境汚染問題の評価・対応に関する社外部会に参加しました。

○最も強く印象に残ったこと

 これまでは土壌・地下水汚染対策や廃棄物処分場建設、不法投棄廃棄物処分などの土壌環境分野を主な業務としていましたので、甚大なる災害に伴う廃棄物や発生土砂等への対応では、多岐広範囲にわたる知見や柔軟な発想、そして多方面の関係者との繋がりが重要と感じました。関連検討会や住民説明会では、多くのステークホルダーを対象とした合意形成の難しさなど、リスクコミュニケーションの重要性も痛感しました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 今も災害廃棄物対策の施工支援や技術開発を行っていますが、後者では主に災害廃棄物の有効利用技術に注力しています。特に放射性物質の除去土壌等については、「除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)」に参画のうえ、活動を行っております。
 災害廃棄物の減容化・再生利用について、より多くの住民の方々の合意を得るには、より安心・安全な技術検証、その成果の正確な情報提供が必要と考えます。支援者団体の立場ではありますが、再生利用が進むように貢献していきたいと思います。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 昨今、暴雨や台風による未曾有の自然災害が発生しており、大量の災害廃棄物が発生し、住民生活優先の対応が求められています。過年度の経験からボランティアや広域行政支援体制はマニュアル化されていると聞いておりますが、災害廃棄物対応マニュアル等の情報ももっと多くの方々に日頃から啓蒙して頂きたいと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 国家戦略「骨太の方針」では、災害廃棄物の処理や被災インフラの復旧が課題と挙がっています。土木工学、環境工学に関与する者として、常日頃よりこれらの課題を意識するとともに、各種支援業務や技術開発を通じて、有用な方策を社内外に発信していきたいと思います。

(2018/8/31掲載)

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吉田英樹(よしだひでき)



国立大学法人
室蘭工業大学大学院 工学研究科
くらし環境系領域社会基盤ユニット 准教授
(北海道出身)
研究者系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年9月に東日本大震災岩手県での災害廃棄物仮置場での火災発生につながる温度上昇の現場観測を初めて行ったことです。国立環境研究所のご紹介を受けて、岩手県沿岸のある自治体が管理されている仮置場に定期的に現場に伺って、温度とガス成分の観測を行いました。実際に火災が発生していましたので、現場観測の結果を管理者に報告して、現場管理に役立てていただきました。

○最も強く印象に残ったこと

 初めて現場に伺った時は、津波被害の大きさにショックを受けました。残っていた建物は大型の鉄筋構造物だけで、それらの建物も窓は破れ、鉄筋構造物は折れ曲がり、津波衝撃の大きさを実感しました。調査を終えて、夕方過ぎに現場を離れる頃には道路照明もなく、あたりが真っ暗な闇に包まれていたのを覚えています。人々の生活の場があれほど根こそぎ奪われた現場というのは実際に見ないと実感できないように思いました。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 私の住む北海道もこれまで経験したことのない大規模な洪水災害がここ3年ほどで2回も起こっており、次はいつどこで災害が発生するのかわからない状況です。北海道で災害が起こった時に、他の地域と比べて災害廃棄物の発生量や質も異なる点もあると思います。たとえば、厳冬期に災害が起こった場合にどうなるのか、という点も含めて調査や計画に携わっていきたいと思います。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物の発生量や質は災害や地域特性によって大きく変動します。たとえば、北海道の洪水災害では農産物の廃棄物が大量に発生して、処理処分に苦労されたと聞いています。これまで発生した災害での災害廃棄物の発生特性のデータベースがあれば今後の災害対応に役立つのではないでしょうか

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 現場で災害廃棄物対応を担当された方に直接お話を伺うことがとても大切であると思います。その点では、このような災害廃棄物情報プラットフォームを利用することはたいへん有意義なことだと思います。

(2018/8/31掲載)

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林篤嗣(はやしあつし)



広島市環境局
業務第一課 課長
(広島県出身)
行政系コース

○災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害です。推計量58万トンの災害廃棄物の処理を進めるため、環境局内に設置された災害廃棄物処理担当のメンバーとして、概ね1年半、計画策定から処理実施までの一連の業務に携わりました。

○最も強く印象に残ったこと

 発災後、環境省からリエゾンや技術専門家が派遣され、政府も現地対策本部を広島市役所に設置して、災害廃棄物の処理対策や国庫補助の対応など、昼夜を問わず多くの御支援をいただきました。
 また、仮置場や中間処理施設の整備等にあたっては、広島県をはじめ地元や関係団体など、多くの皆様に御協力をいただきました。
 こうした御支援・御協力があったからこそ、早期の災害廃棄物処理につながったと思っています。

○現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 災害廃棄物処理に携わった御縁で、自治体職員を中心にお話をする機会をいただいています。
 自治体職員は定期的な人事異動があることから、人材育成が大きな課題となっています。
 このため、本市の経験から、平時の備えとして災害廃棄物処理計画・マニュアルの策定や支援協定の締結、これらの運用のための図上訓練の必要性などを説明するようにしています。

○災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 地震や津波、豪雨、豪雪など自然災害で発生する災害廃棄物は様々です。
 各自治体では、災害の規模は異なるものの様々な災害廃棄物の処理を行っていることから、災害別に廃棄物量の推計方法や処理方法、受援内容などの情報が共有できれば、今後の処理対策に大変役立つものと思います。

○その他、災害廃棄物対策に関する思いなど(自由記述)

 発災当初は、被災の全貌をつかむことが精一杯で、具体的な対策を網羅した処理実行計画の策定は困難です。
 しかし、処理方針や処理完了時期等の目標を、市民へ早く示すことは大変重要です。
 特に被災者にとっては、生活再建に向けた青写真が見えることが大きな励みになります。
 このため、まずはラフなものでも一早く示し、その後、市民からの要望等も踏まえ、処理工程等を具体的に検討して、柔軟に計画を見直していくことが必要だと思いました。
 また、廃棄物処理だけでなく、処理過程で発見した「思い出の品」の対応など、被災者や御遺族の心情に最大限の配慮を払うことも大切であることを学びました。
(追伸)
 寄稿中に平成30年7月の西日本豪雨災害が発生し、現在、本市も災害廃棄物の処理を行っているところです。改めて、このたびの災害により、犠牲となられた御霊の御冥福をお祈りし、被災者の方々にお見舞いを申し上げるとともに、御支援・御協力をいただいた皆様方に心から感謝申し上げます。

(2018/8/31掲載)

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