将来に伝えておきたい災害廃棄物処理のはなし

※執筆者の所属、役職は掲載当時のものです。

 過去の災害廃棄物処理の経験をもとに、当時の状況や今後への教訓についてまとめた体験談、インタビュー記事を掲載しています。今後、定期的に新たな記事をアップしていく予定ですのでご期待ください。

「寄稿:長野市における令和元年東日本台風による災害廃棄物処理の取組」

長野市 環境部 生活環境課 ごみ減量企画担当 係長 金児和彦氏

 本稿では、令和元年東日本台風災害における長野市の災害廃棄物処理業務について、発災直後からの時間経過と共に初動対応が詳細に紹介されています。仮置場の設置手順・管理運営の方法から市民に向けた広報まで、また平時の備えとしての災害廃棄物処理計画の重要性についても記載されています。さらに災害廃棄物処理経験者の立場から、初動対応を進めるにあたって自治体担当者が準備しておくと良いオススメのものを4点挙げる等、自治体職員の皆様にとって多くの具体的なアドバイスが含まれています。

「インタビュー:令和元年房総半島台風による大規模停電を経験した焼却施設の取組」

山武郡市環境衛生組合

 令和元年房総半島台風(台風15号)では、強風による倒木や建物の倒壊等によって電柱や電線・通信線が損傷し、千葉県内で大規模な停電が発生しました。焼却施設が稼働停止した後も様々な工夫をしてごみの受入れを続け、電源車を活用した山武郡市環境衛生組合ごみ処理施設の取組についてインタビューを行いました。県内広域処理の協力も得られて地域の衛生環境が保たれた今回の一連の取組は、多くの一般廃棄物処理施設の参考になることと思います。(2021/4/30掲載)

「寄稿:北海道胆振東部地震の災害廃棄物処理~被災市町村に対する北海道の支援について~」

北海道 後志総合振興局 保健環境部 環境生活課 西本潤平氏

 平成30年9月6日に北海道胆振東部地震が発生し、震源地近傍の厚真町では北海道で初めて震度7の揺れを記録しました。北海道環境生活部環境局循環型社会推進課と、北海道胆振総合振興局・日高振興局の保健環境部環境生活課では、被災地に職員を派遣すると共に、国などと連携し被災自治体に対し災害廃棄物の処理に係る支援や助言を行いました。本稿では、震源地近傍の厚真町、安平町、むかわ町、日高町における災害廃棄物の発生状況と処理および北海道が行った支援内容について著者の視点から記されています。今後の取組として災害廃棄物処理計画の策定推進と共有等について述べられており、今回の災害から得られた知見を反映した対応が期待されます。(2021/3/29掲載)

「寄稿:佐賀豪雨における油汚染と災害廃棄物」

株式会社ダイセキ環境ソリューション 事業推進部 次長 松竹冬樹氏

 令和元年8月の前線に伴う大雨では、佐賀県を記録的な豪雨が襲い甚大な被害が発生、大町町の鉄工所では付近の河川の氾濫を受け工場が浸水、工場内の油が外部に流出し、周辺の田畑や住居、病院などにも拡がりました。本稿は、同災害における油汚染において流出した油の迅速な回収支援業務を実施した企業による処理事例として、車両の手配、回収した油混じり水や廃油吸着マットの処理について記述されているほか、油の付着した草木等の処理や用水路の油膜除去についてなど写真も交えながら分かり易く紹介されています。また対応に当たっての留意点や各関係主体との連携、コミュニケーションの必要性についても述べられており、多くの皆さまに大変参考になる内容かと思います。(2020/12/28掲載)

「寄稿:平成30年7月豪雨災害を経験して…~小さな自治体で起こった大災害からの復旧作業~(その1)」「(その2)」

坂町 都市計画課 課長 西谷伸治氏

 平成30年7月豪雨では広島市に隣接する坂町でも豪雨による土石流被害・堆積土砂被害・浸水被害が重なり家屋や人的被害が生じました。坂町は人口約13000人、町の職員数約100人(うち平時の廃棄物業務全般に携わる職員は2名)と比較的小規模な自治体であり、本稿では災害発生により交通や生活のインフラがストップする中、人的な余裕の無い状況下での防災・救助活動、つづく災害廃棄物の初動期対応の困難の様子が伝えられています。特に広島県における豪雨被害に特徴的な、がれきや片付けごみ、家屋解体物への土砂(マサ土)の混入・付着とその処理について、また緊急県外処理と県への事務委託、公費解体の取組について等、小規模自治体としての被災経験を発信する貴重な内容となっています。(2020/9/30、10/30掲載)

「寄稿:災害廃棄物処理における平時の取り組みの大切さについて ~平成30年7月豪雨における災害廃棄物処理からの気付き~」

倉敷市 環境リサイクル局 リサイクル推進部 一般廃棄物対策課
課長主幹 大瀧慎也氏

 本稿では、平成30年7月豪雨災害において甚大な被害を受けた倉敷市担当者の立場から、災害廃棄物処理を行う中で、被災された方の意識と自治体(職員)の意識との間に生じるギャップについて問題提起し、検証しています。そのギャップを埋めるための一つの手段として、被災された方へのヒアリング調査を行い、被災者の状況・ごみ排出に係る時間・災害廃棄物の分別の観点から、結果が整理されています。今後の対策としては、平時からの広報・啓発への取組と住民と自治体との学び合いが必要であると述べられており、実際に市民向けの広報ハンドブックも作成・公開されました。(本稿「関連サイトへのリンク」からご覧頂けます)(2020/7/31掲載)

「寄稿:災害廃棄物に関して民間支援が現場で取り組んでいること」

一般社団法人 ピースボート災害支援センター
理事/プログラムオフィサー 小林深吾氏

 民間の災害支援の視点から、水害の被災地を中心に災害廃棄物に関する取組や課題についてご寄稿頂きました。記事の前半は、災害時のボランティアの働き方、水害による被災家屋からの災害廃棄物の搬出や清掃の手順について、過去の災害事例を基にくわしく説明されています。後半では、行政担当者と協働で乗り越えるべき課題について、分別周知・仮置場の運営や閉鎖・公費解体を取り上げ、それらの解決策についても具体的に提案されています。行政の皆さまをはじめ、民間支援団体、自治会等の住民組織、住民の皆さまにも参考となる内容かと思います。(2020/6/15掲載)

「寄稿:災害廃棄物の受入について」

愛媛県宇和島地区広域事務組合環境課長 兼 環境センター施設長
兼 汚泥再生処理センター施設長 宮本清司氏

 平成30年7月豪雨時の広域事務組合一般廃棄物処理施設における被災地域の災害廃棄物処理についてご寄稿頂きました。愛媛県宇和島地区広域事務組合では、圏域で発生した災害廃棄物発生量が施設許容量を超えてしまうことにどう対応し、また処理のため不足する人員や機材をどのように確保したのか、また、混合ごみの処理にご苦労された状況と工夫、環境規制への対応等、貴重な知見をご提供頂いてます。(2020/4/30掲載)

「寄稿:平成28年熊本地震における東部環境工場の被災と復旧に関する取組」

熊本市環境局資源循環部東部環境工場 技術班主査 廣野健二氏

 平成28年4月に発生した熊本地震により、熊本市では2施設ある市の一般廃棄物焼却施設のうち、通常時の約6割を処理していた東部環境工場が甚大な被害を受けました。震災により大量の焼却ごみが発生することが予想される中で、同工場の焼却炉運転を一刻も早く復旧させる必要が生じ、応急的な対応の結果、地震発生から約1か月後までに順次2つの炉の運転を再開することができました。その他、建築設備や外溝も含めた本格復旧には翌年3月までの期間を要しましたが、その間、多くの支援と、何より職員の方々が一丸となって取り組まれたご尽力があったようです。被災と復旧の状況が具体的な写真と共に説明されている他、補助金対応についても記載されています。(2019/6/28掲載)

「寄稿:平成30年7月豪雨における災害廃棄物処理支援を通じた都道府県の役割とあり方について」

東京都環境局多摩環境事務所 廃棄物対策課長 荒井和誠氏

 筆者は東京都の職員として、平成23年東日本大震災および平成25年伊豆大島土砂災害での災害廃棄物処理を支援し、平成30年7月豪雨による災害時にはその経験を生かして広島県の初動期および応急対策期における災害廃棄物処理支援活動を行ってこられました。本稿ではこれらの活動を振り返り、都道府県における災害廃棄物対策の役割やあり方について、「人」に着目した災害廃棄物対策を中心に、将来、伝えていきたいことを書き綴って頂いてます。(2019/5/31掲載)

「寄稿:大規模災害による被災自動車の適正処理に向けた自治体支援活動について」

公益財団法人自動車リサイクル促進センター再資源化支援部
主事 元起秀和氏

 東日本大震災では自動車リサイクル法に基づく通常のリサイクルルートに乗せられない番号不明被災自動車が大量に発生しました。本稿ではその対応経験を踏まえ同財団で2018年5月にリリースした「被災自動車の処理に係る手引書・事例集(自治体担当者向け)」について紹介されています。被災自動車処理の全般について、適正かつ円滑に自動車リサイクルを推進するための手引き書であり、実務における実用的な様式も掲載されています。(2019/2/28掲載)


「寄稿:平成30年7月豪雨による災害廃棄物の処理に思うこと-D.Waste-Netの活動を通して-」

一般社団法人日本廃棄物コンサルタント協会 副会長・技術部会長
宇佐見貞彦氏

 同協会では平成30年7月豪雨での災害廃棄物処理においてD.Waste-Netの一員として、被災府県の中でも被害が甚大であった福岡県、広島県、岡山県及び愛媛県の4県で支援活動を行いました。本稿では各県での処理の特徴が多数の写真とともに掲載されている他、その活動を通して筆者の方が感じられた支援のあり方等についても述べられています。(2019/1/31掲載)

「寄稿:台風第10号で発生した災害廃棄物処理への県の支援について」

岩手県環境生活部資源循環推進課 主任 白藤裕久氏

 2016年8月下旬、過去の台風に比べ異例のコースを辿りながら東北地方に上陸した台風第10号は、東北地方や北海道で大雨による甚大な被害を生じさせました。本稿では、本災害における災害廃棄物処理での岩手県による岩泉町への支援の様子について述べられています。一旦は混合状態になってしまった一次仮置場に対し、比較的初期に県が分別指導等の支援を行ったことにより、状況が改善した様子も記載されています。(2017/7/31掲載)

「寄稿:平成27年関東・東北豪雨による災害廃棄物処理の最前線」「(その2-①)」「(その2-②)」「(その2-③)」

茨城県常総市災害廃棄物処理プロジェクトチームリーダー 渡邊高之氏

 「ある日突然災害が発生するとどうなるのかを可能な限りお伝えしたい。」と筆者の方からコメントを頂いた第1弾に引き続き、第2弾では水害による被害の状況と災害廃棄物の排出状況が、時間ごとに克明に記録された40枚を超える写真と臨場感の湧く文章で分かり易く、具体的に紹介されています。「水害による災害廃棄物は、様々な場所に、しかし意外と微妙な位置に、激しく混合状態で、爆発的に排出される現実を見ていただきました。」(文章から一部抜粋)
(2016/11/18、2017/2/13掲載)

「寄稿:災害廃棄物の適正処理と高リサイクル率の実現 - 広島市災害廃棄物処理業務 -」

株式会社鴻池組 安達忍氏*1、岸本健三郎氏*1、小山起男氏*1、岡徹次氏*1、橘敏明氏*2、花木陽人氏*2(*1:大阪本店 土木部、*2:土木事業本部 環境エンジニアリング部)

 平成26年8月に発生した広島市における記録的豪雨により大量の土砂を含む50万トンを超える量の災害廃棄物が発生、その処理業務を受託した民間共同企業体による処理事例についての紹介です。同企業体では、市内の1次仮置場の災害廃棄物を新たに設置された中間処理施設(2次仮置場)に運搬し、当初の計画どおり平成28年3月末に分別処理を完了、99.8%の高リサイクル率を達成しました。特に苦労した点等について担当者からのコメントも記載されています。(2016/7/28掲載)

「寄稿:震災廃棄物等の回収作業とボランティアとの関わり」

仙台市環境局廃棄物事業部 部長 遠藤守也氏

 東日本大震災時、仙台市での災害廃棄物処理にあたり、被災者の復旧と再建のため速やかながれき処理が求められる状況にありました。そのような中で行政とボランティアの方々との連携には大きな成果を上げる一方、地域外のボランティアへのごみ分別区分周知、またボランティアのニーズや作業量にマッチした作業をしてもらうための連携をする話し合い時間の確保といった課題点も挙げられています。
(2015/10/30掲載)

「寄稿:東日本大震災災害廃棄物処理の課題と巨大災害への備え(その1)」「(その2)」「(その3)」

一般財団法人日本環境衛生センター西日本支局環境工学部
技術審議役 宗清生氏

 東日本大震災での災害廃棄物処理支援に携わった経験から、処理の過程で生じた課題と今後の巨大災害にどう備えていくべきかについて述べられています。被災市町村への支援、一次仮置場の確保、発注・契約事務、施設建設といった各パートにおける迅速的な対応についての課題、また津波の影響として、資材として活用しにくい「ふるい下くず」が大量発生したことや、焼却対象物への土砂の付着が焼却管理や最終処分に及ぼした悪影響などの技術的な問題にも触れられています。(2015/6/30、7/14、7/30掲載)

「寄稿:災害廃棄物処理の事業主体と役割分担-阪神・淡路と東日本を比較して-」

公益財団法人ひょうご環境創造協会 理事長 築谷尚嗣氏

 阪神・淡路大震災及び東日本大震災、二つの大震災の災害廃棄物処理を比較すると、処理スピードと再生利用率などに大きな違いがあり、一番の理由は東日本での津波被害と考えられるが、筆者は事業主体の違いにも注目、事業主体と処理期間、再生利用率、関係者の役割分担等について述べられています。本寄稿の元になった報告書「災害廃棄物処理に係る阪神・淡路大震災20年の検証」も、当プラットフォームで掲載されています。(2015/1/16掲載)

「寄稿:いわき市における東日本大震災に係る災害廃棄物等の処理について(その1)」「(その2)」

福島県いわき市生活環境部環境整備課 主任主査兼企画係
係長 松本雄二郎氏

 いわき市では、海岸部の津波被害、また内陸部においても本震(震度6弱)に加え、ひと月後に直下型地震(震度6弱)が立て続けに起こるなど被害が拡大、市内で発生した災害廃棄物等の総量は約86.3万t(災害廃棄物67.6万t、津波堆積物18.7万t)となりました。膨大な量の廃棄物の処理をさらに困難にさせたのは原発事故に伴う放射能の問題であり、仮置場のひっ迫、当初の国による県外への持ち出し制限、県内においても暫くの間、他の市町村から受け入れを拒まれる状況の中、処理事業を進めていかれた様子が記載されています。 (2014/10/30、11/28掲載)

「インタビュー:岩手県における災害廃棄物処理を語る(その1)」「(その2)」「(その3)」

岩手県環境生活部廃棄物特別対策室災害廃棄物対策課長 松本実氏

 東日本大震災における災害廃棄物処理では、迅速な処理が求められる中、従来の法令等のルールでは対応が難しい多種多様な状況があり、様々な法令上の措置を講じてもらえるよう要望したほか、なぜ特別な措置が必要なのか関係者に何度も説明し、粘り強く交渉した等、現場では大変なご苦労があったとのことです。こうした処理体制づくりではどのように人材を確保し、また専門家とのサポート体制づくりを行ったかについても言及されています。今後の災害廃棄物処理に向けた課題や処理のポイント等、貴重な知見が詰まったインタビューをぜひご参考にしてください。(2014/5/1、6/27、8/29掲載)


※執筆者の所属、役職は掲載当時のものです。